内掛け結びとは針とハリスの結び方のひとつです。市販の仕掛けなどでも多く用いられており、もっとも氾濫性のある結び方と言えます。
比較的簡単な結び方で、針とハリスの結び方のひとつとして、マスターしておきたい結び方です。しかし、結び方を紹介するだけでは、物足りないのではないでしょうか。
PEラインを使うルアーフィッシングでは結び方(ノット)の結束強度も重要視されます。
ラインシステムといい、ラインブレイクの時にスナップから切れるのか、結束部分で切れるのかある程度コントロールするのに役立ちます。また、シーバス・青物といった大物が釣れることも理由のひとつです。
内掛け結びの強度がわかればハリスの号数選びの参考になりますし、ドラグの設定にも応用できそうです。無駄にハリスを切られることがなくなり、釣果に結びつくのではないでしょうか。
そこで内掛け結びの結束強度も検証しました。検証結果は驚きの結果となりました。
内掛け結びの結び方
針の上に輪を作ります。
サイトによってハリの向きが逆のこともありますが、手順はどれも同じことです。右手で編み込むことができるこの位置が個人的にはやりやすいと思います。
ハリスの余りをハリの内側に向けて5~7巻き付けていきます。
巻き付けた部分は左手で押さえながら組むとキレイに結びやすいです。
針の内側に向けて5回巻き付けました。
結び目を左手に持ち替えてハリス本線を引っ張り仮止めします。
こんな感じで巻き付け部分がキレイになっていればOKです。本締めはまだですよ。
結び目を移動させて位置調整します。
画像のようにチモトの内側からハリスが出るようにします。
位置が決まったらハリスを両方向から引っ張り本締めします。
結び目はしめらせましょう。摩擦熱で強度が低下します。
余りのハリスをカットして内掛け結びの完成です。
内掛け結びの結束強度を検証
内掛け結びの結束強度を検証します。検証に使った道具は以下の通りです。
強度はカタログの8.5lb(4.25kg)を基準にします。実測してみましたが、ほぼカタログ通りの強度が出ていました。
フロロカーボンラインを針に内掛け結びで結んで、ドラグチェッカーでブレイクした時の強度を測定しました。巻き付け回数は5回です。
強度(kg) | 割合(%) | |
1回目 | 2.8 | 65.8 |
2回目 | 2.7 | 63.5 |
3回目 | 2.7 | 65.8 |
4回目 | 2.8 | 63.5 |
5回目 | 2.3 | 54.1 |
平均 | 2.66 | 62.54 |
平均すると結束強度は62%という結果になりました。ルアーフィッシングで使うノットは80%~90%程の強度があるので、案外弱いという印象でした。
例えばFGノットやSCノットなんかは20回以上巻き付けて、ハーフヒッチして焼きこぶも作ってと複雑な工程でなかなか強度が出そうな手順です。
62%というと電車結びと同じぐらいの強度です。手順を考えれば妥当な強度ではないでしょうか。
いずれも巻き付けた部分でブレイクしました。
内掛け結びの強度をさらにアップさせるには?
62%と案外弱い結び方に個人的に納得がいきません。内掛け結びの強度をさらに上げるにはどうすればいいのか検証します。
巻き付け回数を増やせばどのぐらい強度が出るのか
先ほどの検証結果は5回でした。10回巻き付けて強度を測定してみます。
強度(kg) | 割合(%) | |
1回目 | 2.8 | 65.8 |
2回目 | 3.3 | 77.6 |
3回目 | 2.8 | 65.8 |
4回目 | 2.6 | 61.1 |
5回目 | 3.2 | 75.2 |
平均 | 2.94 | 69.1 |
結束強度は69.1%という結果になりました。61%から77%と随分幅があることがわかります。
10回巻き付けると巻き付け部分をキレイに整えるのがかなり難しいことがわかりました。8回以上になるとフロロカーボンのハリで巻き付け部分が膨らみ、確実に内掛け結びを結ぶことができませんでした。
測定してみても「これは強度が出ないだろな」と思ったら結果もやっぱりて感じでした。
確実に内掛け結びが決まった時は75%と高強度。うまくできなかった時が60%台となっているのだと思います。
強度のバラツキは大きいものの、巻き付け回数を増やすと強度は上がると言えます。
まとめ
内掛け結びの結び方は紹介した通りわりと簡単です。強度も5回巻き付けで62%程で普通に使える結び方です。
結び方に自信がある方は巻き付けを10回程にしてさらに強度を上げるのがよいです。
個人的には7回巻き付けるのがおすすめですね。
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